【入国手続き】飛行機で海外から日本へペットと一緒に帰国!私の体験談と失敗からの対策

ドイツ生活

はじめに

私は愛犬1匹と一緒に、日本からドイツへ引っ越しました。

初めてペットと日本を出入国する際は、わからないことだらけで、不安でいっぱいだったのを覚えています。


動物検疫所のホームページには、必要な手続きや書類についてとても丁寧に説明されています。
ただ、おっちょこちょいで心配性な私は、読み込んでも不安が消えず、何度も検疫所に問い合わせたり、関連する記事を片っ端から読みあさったりしました。

そんな私ですが、現在までに日本とドイツを問題なく2回往復することができました。


この記事では、私の実体験をもとに、

動物検疫の手続きって実際どんな感じ?」
「どこに気をつければいいの?」

といった疑問に、リアルな視点でお答えします。
実際に失敗したこと、見落としがちなポイントも正直に書いています。

これからペットと一緒に帰国を予定している方にとって、少しでも不安を減らし、安心して準備を進めるための参考になれば嬉しいです。

お住まいの地域によって手続きが異なる場合がありますので、必ず動物検疫所の公式サイトで最新情報をご確認のうえ、この記事はあくまで“体験談のひとつ”として参考にしていただければと思います。

帰国までの全体の流れ

日本に帰国する日が決まると、

  1. 日本の動物検疫に関する手続き
  2. 航空会社のペット予約

主にこの2つがやるべきこととなります。

日本の動物検疫の手続きについて

その①:日本の動物検疫制度の理解

まず初めに、お住まいの地域が指定地域か指定地域以外かによって日本入国の手続きが異なります。

【指定地域以外とは】
日本の農林水産大臣が指定する狂犬病の清浄国・地域である、
アイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアム
以外
のすべての国と地域のことです。
※狂犬病の発生状況や検疫制度の改正等により変更となる場合があります。

指定地域以外から日本に犬・猫を
輸入するための手引書
|農林水産省 動物検疫所

私の場合ドイツは指定地域以外でしたので、指定地域にお住まいの方は以下のリンクを参考にしてください。(指定地域の方)

その②:日本の動物検疫手続きの流れ

参考までに初めてドイツから日本入国の際、愛犬の当時の状況は以下の通りです。

  • ドイツ住(指定地域以外)
  • マイクロチップの埋め込み済み
  • 狂犬病予防注射1回目済み
  • 狂犬病予防注射2回目・狂犬病抗体検査→していない

1. マイクロチップの埋め込み

私のペットは日本ですでに埋め込んでいました。
マイクロチップの番号は書類に入力する機会が何度もあるので、パソコンのメモ機能などに入力し、コピペできるようにしておくと便利です。

2. 狂犬病予防注射(1回目)

マイクロチップと同様に私の愛犬は日本で済ませてきました。
狂犬病予防注射を打つ際には、

  • 接種年月日
  • 有効期限
  • 予防液の種類…(例)INACTIVATEDなど
  • 予防液の製品名及び製造会社…(例)RABIES TC VACCINE/BIKEN/LOT.193など

を病院で確認し、記載されてある書類は大事に保管しておいてください。

ペットパスポートを持っている方は、獣医師が予防接種のシールと日付とサインをして下さるので、それがあれば問題ないです。

3. 狂犬病予防注射(2回目)

狂犬病予防注射(1回目)の有効期限が切れる前に2回目を打ちましょう。
狂犬病予防注射(2回目)を打った同じ日に、狂犬病抗体検査を受けることができます。

ドイツ語で予約メールを送る際に参考にしてください♪

Betreff: Terminvereinbarung für eine Tollwutimpfung

Sehr geehrte Damen und Herren,

ich möchte gerne für (曜日), den (日付), einen Termin zwischen (時間 )und (時間) Uhr vereinbaren.

Falls dies nicht möglich sein sollte, würde ich gerne für den darauffolgenden (曜日 )zur gleichen Uhrzeit einen Termin vereinbaren.

Mein Hund benötigt eine Tollwutimpfung.

Ich würde mich sehr über eine Rückmeldung freuen.

Mit freundlichen Grüßen
(名前)

件名: 狂犬病予防接種の予約について

拝啓

○月○日(○曜日)の○○時から○○時の間で、予約を希望しております。

もしこの日時でのご予約が難しい場合は、翌週の(○曜日)の同じ時間帯で予約をお願いできればと存じます。

私の犬には狂犬病の予防接種が必要です。

ご返信いただけますと幸いです。

何卒よろしくお願い申し上げます。

敬具
○○ ○○

4. 狂犬病抗体検査

①狂犬病抗体検査とは?

初めての方は、「狂犬病抗体検査とは?」「具体的に何をするの?」と思いますよね。

狂犬病抗体検査とは、「ペットが狂犬病のワクチンをきちんと打っていて、体の中に十分な免疫があるかどうか」を調べる血液検査のことです。

狂犬病抗体検査の手順
  • STEP 1
    動物病院で採血

  • STEP 2
    指定された検査機関に送付

    動物病院の方が送って下さいます。

  • STEP 3
    抗体値の測定

    抗体価が0.5IU/ml以上なければなりません。
    (※検査結果は郵送で送られてきました。)

手続きの中で、狂犬病抗体検査(血清検査)をお済みであるかどうかによって状況は変わってくると思います。
採血日から180日間(約6ヶ月)は日本に入国出来ないからです。
なので、日本帰国日から逆算して早めに狂犬病抗体検査を行う必要があります。

②狂犬病抗体検査の予約の取り方・注意点

お住まいの国のかかりつけ病院で予約を取ります。

ドイツ語で予約をとる際に参考にしてください♪少し長いけれど…。

文章をコピペして使う場合は、日本の検査機関のリストを添付して送ってくださいね。(リストはこちら)

Betreff: Anfrage für einen Termin zum Tollwut-Antikörpertest

Sehr geehrte Damen und Herren,

ich möchte gerne einen Termin für meinen Hund für einen Tollwut-Antikörpertest vereinbaren.
Der Test ist erforderlich, da ich mit meinem Hund nach Japan zurückkehren werde.


Es ist sehr wichtig, dass die Blutprobe an ein von der japanischen Regierung zugelassenes Labor geschickt wird, da nur dort durchgeführte Tests anerkannt werden.

Ich bitte Sie daher ausdrücklich darum, dies bei der Durchführung des Tests zu berücksichtigen.

Eine Liste der von Japan anerkannten Labore habe ich diesem Schreiben als Anhang beigefügt.
Ich wäre Ihnen dankbar, wenn Sie diese prüfen könnten.

Bitte teilen Sie mir mit, ob ein Termin am (曜日), den (日付), um (時間) Uhr möglich wäre.
Falls dieser Termin nicht passt, wäre ich auch an einem alternativen Termin interessiert.

Vielen Dank im Voraus für Ihre Rückmeldung.

Mit freundlichen Grüßen
(名前)

件名: 狂犬病抗体検査の予約について

拝啓

私の犬の狂犬病抗体検査の予約をお願いしたく、ご連絡差し上げました。
この検査は、日本に犬とともに帰国するために必要なものです。

なお、この検査結果が日本で有効と認められるためには、日本政府が指定する検査機関に血液を送って検査を行う必要があります。

これは非常に重要な点ですので、検査の際にはぜひご配慮いただけますようお願い申し上げます。

日本が指定している検査機関のリストを添付いたしましたので、ご確認いただけますと幸いです。

〇〇年〇月〇日(〇曜日)の〇〇時に予約が可能かどうか、ご確認いただけますでしょうか。
もしその日時が難しい場合は、別の日程でもかまいませんので、ご提案いただけますと幸いです。

お忙しいところ恐縮ですが、ご返信をお待ちしております。

敬具
〇〇 〇〇

ここで重要なことは必ず日本指定の検査機関で検査を行ってもらえるかを確認することです。
予約する際にメールで確認し、当日もリストを持参して目の前で確認するくらいの勢いで行きましょう。


私は予約の際にメールで確認しましたが、指定機関ではないところで検査をしてしまいました( ; ; )。
現地の人は日本の手続きの厳しさを知らないことがほとんどですし、自分がもっと確認をしていればと後悔しました…。

5. 180日間の輸出前待機

今は時が過ぎるのを待つだけ!

早く日本に帰りたいワン

6. 事前届出の提出

日本入国予定の40日前までに事前届出を提出します。

動物検疫所の公式サイトで「NACCS(動物検疫連絡業務)」に新規登録し、必要事項を入力して提出します。

初めて登録する方は、

  • 狂犬病予防接種1回目・2回目を打ったことがわかる書類
  • 狂犬病抗体検査の結果がわかる書類

を添付して提出します。

7. 輸出前検査

かかりつけ医と輸出国政府機関の獣医官による輸出前検査を行います。
これらは出国前10日以内に行います。

〈ドイツの場合〉
政府機関発行の健康証明書(FormRE等)に入力し、輸出前検査の後かかりつけ医と輸出国政府機関の獣医官にサインをしてもらう必要があります。

政府機関発行の健康証明書(FormRE等)は、日本入国の際に必要な重要な書類です。

黄色の枠…かかりつけ医が記入
赤色の枠…輸出国政府機関の獣医官による記入
それ以外…飼い主様ご自身が記入

※政府機関発行の健康証明書は形式がさまざまですので(FormREやFormACなど)、動物検疫所の方の指示に従ってください。

①かかりつけ医による輸出前検査

かかりつけ医に予約のメールをします。予約当日は簡単な触診をして終了です。
メールに、かかりつけ医に記入してもらう書類の写真(政府機関発行の健康証明書(FormRE等))をあらかじめ送っておきましょう。

ドイツに在住の方は予約の際に、以下の文を参考にしてみてください♪

Sehr geehrte Damen und Herren,

ich möchte für (曜日), den (日付) um (時間)Uhr reservieren.

 Ich möchte, dass Sie die notwendigen Dokumente unterschreiben, damit wir nach Japan zurückkehren können. Dies ist der Teil des beigefügten Dokuments, der von einem gelben Rahmen umgeben ist.

Ich würde mich sehr freuen, wenn das möglich wäre.

Mit freundlichen Grüßen 
(名前)

拝啓

○月○日(○曜日)の〜時に予約をお願いしたく、ご連絡差し上げました。

日本への帰国に必要な書類へのご署名をお願いしたく存じます。署名が必要な部分は、添付書類の黄色の枠で囲まれている箇所です。

これらが可能でしたら、大変ありがたく存じます。

何卒よろしくお願い申し上げます。

敬具
○○ ○○

予約当日、書類にサインしてもらう際は日付の書き方に注意してもらいましょう。
日本とドイツでは日付の書き方が逆なので間違えられやすいです。

日本:2025/07/29

ドイツ:29/07/2025

口頭で説明した上で、書類に付箋をして渡してもドイツの書き方で書いてくれます。
なので私はFormRE書類をあらかじめ2枚準備しています。

日付が逆でも問題なく入国できた経験もありますが、日本の動物検疫担当者によって対応が異なると思いますので、念のため注意しておくに越した事はありません。

②輸出国政府機関の獣医官による輸出前検査

続いてわたし的最難関だと思われる「輸出国政府機関の獣医官による輸出前検査」についてです。

名前だけ聞くと、なんだかよく分からないし怖そうだワン…。

〈ドイツの場合〉
お住まいの地域の地方行政局(Landratsamt)の中にある獣医局(Veterinäramt)です。
GoogleMapなどで『Veterinäramt』と検索すると出てくると思います。

その1. 予約の仕方

予約する方法は以下の2つです。

  • ホームページのお問い合わせ欄にメッセージを送る
  • 電話

メッセージを送る方は参考にしてみてください♪

Sehr geehrte Damen und Herren,

ich bringe meinen Hund nach Japan und möchte ihn untersuchen lassen.

Ich möchte für (曜日), den (日付), (時間) Uhr reservieren.
Ich werde am (ドイツ出国日)nach Japan fliegen.


Ich würde mich freuen, wenn das möglich wäre.

Mit freundlichen Grüßen 

拝啓

私の犬を日本へ連れて帰る予定があり、そのための健康診断をお願いしたいと考えております。

○月○日(○曜日)の〜時に予約を希望しております。
私は○月○日に日本へ出発する予定です。

この日時で対応していただけましたら、大変ありがたく存じます。

何卒よろしくお願いいたします。

メールアドレスを記載しても、高確率で電話がかかってきます。
頑張って乗り切りましょう!!

私は、つたないドイツ語で対応し〈予約日と部屋番号〉はメールにて改めて送ってもらいました。
ここまで来ると、あともう少しです!

その2. 予約当日

獣医局での輸出前検査の様子

(獣医局での輸出前検査の様子です。)

当日持って行く物

  • 政府機関発行の健康証明書(FormRE等)…かかりつけ医のサイン済みのもの
  • ペットパスポート
  • 念のための現金24,75€


簡単な触診とマイクロチップの読み取りをして、お支払いを済ませます。
ここでは大事な書類を3枚ほど受け取ります。
簡単にまとめると「このペットは非営業目的であり、検疫の問題もないもの」という証明がされた書類です。また日本からドイツに帰ってくる際に必要なので大切に保管して下さい。

この書類を持っていると、ドイツを問題なく出入国できます。
日本を出国(ドイツに入国)する際に通常はEUフォームを作成しなければいけませんが、この書類があればEUフォームを作成する必要はありません。

ドイツに入国する際に書類を確認されたことはないですが…。

8. 日本到着後の輸入検査

必要な書類

  • 政府機関発行の健康証明書FormRE(原本)
  • 日本の動物検疫所が交付した輸出検疫証明書…日本出国の際に受け取った書類です。

日本到着後、荷物の受け取り後に動物検疫カウンターに向かいます。
書類の確認やマイクロチップの読み込みをして手続きは終了です。

カウンターの混み状況にもよりますが、私の場合は15分くらいで終了しています。

書類の不備がある場合や、抗体検査後180日間の待機前の日本入国などの場合は時間がかかります。

日本到着後はペットを一刻も早く解放してあげたいですよね。
しかし到着後は人間の手続きやペットの検疫など、空港の外に出るまでに結構時間がかかります。

ペットを機内持ち込みの場合は、機内を出た瞬間から「やっとお外に出られる!」とワクワクしている状態のペットを長い時間待たせることになります。

そして初めてゲージから出してもらえるのは動物検疫カウンターでの輸入検査…
お分かりでしょうか…

検査なんて知ったこっちゃないペットは「水ーーーーー!!!トイレーーーーー!!めーっちゃ我慢したんだからーーー!!」となる場合があります。(※私の愛犬はそうなりました。)

恥ずかしいから言わない約束だワン

「空港の個室トイレなどではペットをゲージから出し、お水をあげたり、オムツをした状態でトイレをさせてあげたりしても良い」と動物検疫の方が仰っていました。

ペットの状態を見て、到着後に興奮している様子であれば輸入検査前にペットとの時間を作ってあげると良いと思います。

航空会社でのペットの予約について

動物検疫の準備と並行して行いたいのが、航空会社でのペットの予約です。

「どの航空会社で、どうやって一緒に帰国するか?」を考えましょう。

航空会社によって、ペットの扱い方や規定はさまざまです。

機内に一緒に乗れる会社もあれば、貨物扱いでしか受け付けていない会社もあります。

さらに、ペットのサイズや犬種(短頭種など)によっても輸送方法が制限されることがあります。

私はドイツ→日本の帰国にあたり、ペットを機内に持ち込みたかったのでルフトハンザ航空を選びました。

ルフトハンザ航空での詳しい予約方法や費用については、こちらの記事で詳しく紹介しています♪

航空会社ごとに「重さの上限」「ケージの大きさ」「気温による制限」など細かいルールがあるので、早めに情報を集めて、候補の航空会社に問い合わせてみるのが安心です。

また、ペットの予約は航空券とは別に「事前連絡が必要」な場合がほとんどです。オンラインまたは電話での申し込みになります。

時期によっては頭数制限で受け付けてもらえないこともあるので、日程が決まったらできるだけ早く動き出すのがおすすめです。

ペットの輸送方法:2つのタイプ

航空会社によって異なりますが、基本的に以下の2つの方法があります。

①機内持ち込み

  • 基本的にペットと常に一緒に居られる。
  • 柔らかいキャリーバックにペットを入れて、座席の下に収納する。
  • 鳴き声やにおい、他の乗客への配慮が必要になる。

②受託手荷物として預ける

  • 出発空港でチェックイン時にペットを預ける。
  • 飼い主様と同じ便で、機体下の空調が管理されたスペースに乗せられる。

航空会社ごとの対応の違い

※1:JAL・ANAでは、短頭種(フレンチブル、シーズー、ペキニーズ、ペルシャ猫など)の受託は原則禁止、または同意書の提出が必要なケースがあります。
現在ANAではLINE、JALでは有人チャットでのペット予約も行なっているみたいです。

※2:Lufthansaでは短頭種は機内持ち込みのみ可能です。

予約の際に航空会社に伝える情報

航空会社にペット同伴の旨を伝えると、以下のような情報を求められることが多いです。

  • ペットの種類(犬・猫など)
  • 犬種・猫種(短頭種は制限されることも)
  • ペットの体重
  • ケージのサイズ・重さ(ペット込み)
  • 渡航日・便名
  • 機内持ち込み or 貨物室(会社によって選べない場合も)

これらの情報はあらかじめメモしておくと、やり取りがスムーズです。

おわりに

ペットとの帰国は、動物検疫の準備・ペットの予約に意外と確認事項が多く不安になりますよね。

この記事が、同じように準備を進めている方の不安を少しでも減らし、スムーズな帰国の手助けになれば嬉しいです。

もし疑問に思ったことや不安な点があれば、ぜひお気軽にコメントしてくださいね。
同じような経験をしたひとりとして、少しでもお力になれたらと思っています。

タイトルとURLをコピーしました