はじめに
「ドイツ語をちゃんと勉強したいけど、何から始めればいいの?」
「統合コースってよく聞くけど、実際どんな感じなの?」
そんなふうに思っていませんか?
ドイツで生活していると、
「もっとドイツ語ができたらいいのに」と感じる場面は多いですよね。

私自身も同じように悩みながら統合コースに通い、最終的にB1試験に合格しました。
ただ、通う前は、
- ついていけるのか
- 旅行の際は欠席できるか
- クラスの雰囲気はどうなのか
- 本当にB1までいけるのか
と不安だらけでした。
この記事では、
- 受講までの流れ
- 実際の授業の雰囲気や大変だったこと
- 統合コースの仕組み
- 向いている人・向いていない人
を、体験談ベースでわかりやすくまとめています。
「自分に合っているか判断できる記事」になっているので、
統合コースを検討している方の参考になれば嬉しいです。
統合コース(integrationkurs)とは?

統合コースとは、ドイツ語の習得とドイツ社会への統合を目的とした、国の支援による語学コースです。
授業内容は主に、
- ドイツ語B1レベルまでの語学授業
- LiD(Leben in Deutschland)と呼ばれる、ドイツの法律・歴史・社会に関する試験対策
の2つで構成されています。
コース修了後には、ドイツ語B1試験・LiD試験を受験し、合格すれば修了証明を得ることができます。
統合コースが近くにあるかすぐに探したい!という方は、こちらのリンクから検索することができます♪→(BAMF-NAvI)
※BAMF(連邦移民難民庁)のサイトにて詳しく説明されているのでご覧ください。
①コースの種類について
統合コースには、一般コース(700レッスン)以外にも、いくつかの特別なコースがあります。
- 女性向けコース(約1,000レッスン)
- 親向けコース(約1,000レッスン)
- 若者向けコース(約1,000レッスン)
- 追いつきコース(約1,000レッスン)
- 集中コース(約430レッスン)
コースの違い
それぞれのコースは、対象となる人に合わせて設計されています。
例えば、
- 男性が苦手な方 → 女性向けコース
- 26歳以下 → 若者向けコース
- 短期間で修了したい → 集中コース
といったように、自分の状況に合わせて選ぶことができます。
ただし、授業内容(ドイツ語+社会)は基本的に大きく変わらないと言われています。
特別コースは、
似た境遇の人と一緒に学べるので環境面で通いやすいと感じる人が多いと思います。
私の体験(親向けコースに通った話)
私は「親向けコース(Elternkurs)」に通っていましたが、
子どもはいません。
理由はとてもシンプルで、家から一番近い学校がそのコースを実施していたからです。
正直「親じゃないけど大丈夫かな…?」と少し不安でしたが、
問題なく受講することができました。
実際にクラスには、私と同じように
親ではない受講者も数名いました。
コース選びで大切なこと
統合コースは、コース名に対象が書かれていても、
そこまで厳密に制限されていない場合も多いです。
そのため、
- 家から通いやすいか
- スケジュールが合うか
- 空きがあるか
といった点を重視して選ぶのも、十分現実的な選択だと思います。
実際に私のように対象外でも受講できるケースは珍しくないので、
一度問い合わせてみると良いかもしれません♪
②費用について
1レッスン(45分)は2,29ユーロです。
一般統合コースは700レッスンで構成されています。
そのため、コース全体の費用は1,603ユーロです。

私は親向けコース(Elternkurs)に通っていたので1,000レッスンで2,290ユーロかかりました。
支払い方法(体験談)
支払い方法は学校によって異なりますが、私の場合は100レッスン(=229ユーロ)ごとに請求書が届き、振り込みという形式でした。
③スケジュールについて
一般統合コースは、
- 語学コース:600レッスン
- オリエンテーションコース:100レッスン
で構成されています。
…と言われても、正直イメージしづらいですよね。
私も受講前は、
- 「どのくらいの期間通うの?」
- 「旅行に行けなくなる?」
- 「休みはあるの?」
といった不安がありました。
通学期間の目安
- 一般統合コース(700レッスン):約1年
- 私の場合(1,000レッスン):約1年4ヶ月
学生と同じように夏、秋、冬休み、祝日もしっかりあります。

旅行や日本一時帰国の際は休んでいました(^_^)
私のスケジュール
私の場合は、
- 1日4レッスン
- 時間:8:15〜11:30
というスケジュールで通っていました。
参考までに私の年間スケジュールを載せておきます!
濃い灰色の部分は授業がある日です。


統合コース受講の流れ

統合コースを受講するまでの流れは、基本的に次のようになっています。
- 受講許可証を取得する
- 統合コースを開講している語学学校を探す
- レベルチェックテストを受ける
- コースに参加する
- 最終試験(DTZ・LiD)を受ける
- 授業料半額返金を申請する
詳しく説明していきます!
1.受講許可証を取得する
まずは、外国人局などで統合コースの受講許可を取得します。

この許可がないと、統合コースには参加できません。
統合コースの対象となるのは、主に以下のような人です。
- ドイツに中長期で滞在している人
- 就労ビザ・配偶者ビザなどの滞在許可を持っている人
- ドイツ語ができない人
ひとつの目安として、
1年以上有効な滞在許可を持っている場合
または
18か月以上滞在している場合
は、統合コースの対象となる可能性が高いとされています。
このように、外国人局の担当者や地域によって対応が異なることもあるため、
自分のケースはどうなのか、一度確認してみるのがおすすめです。
受講許可証はオンラインでも申請できるみたいです。
→(BAMF公式ホームページ)
⒉ 語学学校を探す
受講許可証を取得したら、次は統合コースを開講している語学学校を探します。
統合コースは、特定の学校だけで行われているわけではなく、
認可されたさまざまな教育機関で受講することができます。
例えば、
- VHS(市民学校)
- Kolping Akademie
- 私立語学学校
などがあります。

私はKolping Akademieで受講しました!
学校の探し方
語学学校の探し方はいくつかあります。
① 外国人局で紹介してもらう
受講許可証をもらう際に、
統合コースを実施している学校の一覧を渡されることがあります。
まずはその中から探すのが一般的です。
② インターネットで探す
BAMFの公式サイトで検索することができます。
→(BAMF-NAvl)
自宅の近くで統合コースを開講している学校があるか調べることができます。
学校選びのポイント
学校を選ぶときは、以下のポイントを意識すると選びやすいです。
- 自宅からの通いやすさ
- 授業の時間帯(午前・午後)
- コースの開始時期
- 空き状況
特に統合コースは毎日通うことになるため、
「家からの距離」は重要だと感じました。

それは私が学校の雰囲気や先生との相性に問題がなかったから言えることかもしれませんが…
「どの学校がいいか分からない」という方は、まずは通いやすさ重視で選ぶのがおすすめです!
⒊ レベルチェックを受ける
通いたい語学学校が決まったら、次に行うのがレベルチェックテストです。
通う予定の語学学校で行います。
私の場合(体験談)
私はこのテストがあることを知らなかったので、
当日かなりびっくりしました。
レベルチェックを受ける必要のないくらい本当にドイツ語が全くできなかったので、
「私はドイツ語が全然できません!」と一生懸命伝えたのですが、
「とりあえずテストを受けてください」と言われ、そのまま受験することに…。
おそらく全問不正解だったと思います。
問題は冊子になっていて、文章問題もあり、
当時の私にとってはかなり難しく感じました。
こんな体験だったので少し不安になりましたが、
結果的には自分のレベルに合ったクラスに振り分けてもらうことができました。
長々と話してしまいましたが、伝えたかったことは
ドイツ語が出来なくても大丈夫だということです!!
⒋ コースに参加する
語学学校が決まりレベルチェックテストを受けたら、いよいよ統合コースの受講がスタートします。
統合コースは大きく分けて、以下の流れで進みます。
- STEP1ドイツ語(A1 → A2 → B1)
それぞれのレベルごとに区切りがあり、途中で小テストや確認テストが行われます。
- STEP2B1試験(DTZ)
- STEP3オリエンテーション(社会授業)
などについて学びます。
- STEP4LiD試験
このあとにご紹介する「実際の授業内容・クラスの雰囲気」では、
実際にどんなクラスで、どのように学んでいくのかを詳しくお伝えします。
⒌ 最終試験(DTZ・LiD)を受ける
統合コースの最後には、2つの試験を受けます。
ドイツ語の試験(DTZ)について
DTZは「Deutsch-Test für Zuwanderer」の略で、
B1レベルのドイツ語力を測る試験です。
試験内容は、
- リスニング
- リーディング
- ライティング
- スピーキング
の4技能で構成されており、総合的なドイツ語力が問われます。

ライティングでは、ドイツ語で手紙やメールを書きます。
スピーキングは簡単な質疑応答から2人ペアで会話したりします。
ドイツ社会に関する試験(LiD)について
LiD(Leben in Deutschland)は、
ドイツの社会や制度についての知識を問うテストです。
試験内容は、
- ドイツの法律
- 歴史
- 政治や社会の仕組み
などで、選択式の問題が中心です。
この2つの試験に合格すると、
統合コース修了証(Zertifikat Integrationskurs)を取得することができます。

この証明書は、永住権の申請や就職活動などで役立つ重要なものです!
私の場合はビザの延長の際に必要でした。
もしも受講中にビザ延長の手続きをする場合でも、学校に頼めば「統合コース受講中です」という書類を出してもらえるので問題ないです。
⒍ 授業料半額返金を申請する
申請方法はいくつかあり、
などがあります。

私は家から出たくなかったのでオンライン申請を行いました。
インターネット上の手続きでは、
というなんとも現代的なやり方で、
「これ本当にできるの…?」と不安でしたが、
なんとか無事に申請することができました。
BundIDを作成するにあたってPINコードが必要になり、「PINコードって何!?」から始まりいろんな書類を引っ張り出して、重要そうな数字をとりあえず入力してみたり…と大変でした。
少し勇気を出して学校に行って申請手続きをお願いしたほうがよかったかも…なんて思ったりもしました(^_^)
※オンライン申請の手順については、実際の画面や流れも含めて、別記事で詳しく解説する予定です。
申請後、約1ヶ月ほどで
「半額返金しました」という通知が郵送で届き
実際に口座へ返金されました。

無事に返金されて、ホッとしたのを覚えています。
実際の授業内容・クラスの雰囲気

ここでは、私が実際に通っていた統合コースの様子をご紹介します。
クラスの基本情報

私のクラスはこんな感じでした。
- 人数:約27人
- 国籍:ウクライナ、ガーナ、コソボ、スペイン など
- 年齢層:20代〜50代
クラスの約7割がウクライナ人で、日本人は私だけでした。
先生について
「授業料が安いし、ちゃんとした指導をしてもらえないのでは?」
と不安に思う方もいるかもしれませんが、実際はそんなことはありませんでした。
先生の指導に沿ってしっかり勉強していけば、試験に十分合格できる内容だと感じました。
分からないことがあれば個別に丁寧に教えてくれますし、
欠席した際も、その日に進んだ内容を共有してもらえたので安心でした。
私のクラスは二人の先生が担当してくださったのですが、共通していたのは
「アウトプットが大切」という考え方です。
授業中は、できるだけ多くドイツ語を話す機会があり、
自然と「話す力」を鍛えられる環境でした。

私は「テストでは点が取れるけれど、話すのが苦手」なタイプだったので、
半ば強制的にでも話す機会があるこのスタイルは、とても良かったと感じています。
B1の最終試験ではスピーキングもあるため、
授業でのドイツ語を話す練習はかなり役立ちました。
実際どうだった?
受講したての頃は授業がすべてドイツ語で進むので苦労しました。
最初は先生が何を言っているのか、ほとんど分かりませんでした。
ドイツ語が全くわからない私が、ドイツ語でドイツ語を学ぶって、今思えばよく通っていたなと思います笑
最初は本当に何も分からなかったのですが、
不思議なことに、数週間経つと少しずつ耳が慣れてきます。
授業初日に、先生から
授業中によく使うドイツ語とその英語訳が書かれたプリントが配られました。
それを手元に置きながら、
「あ、今この単語を言った!」
と確認しつつ、少しずつ理解していく感じでした。
クラスメイトは主に難民の方が多く、
これまでの生活では出会わなかったような価値観や文化に触れる機会がたくさんありました。
最初は戸惑うことや驚くこともありましたが、
そういった経験も含めて、今ではとても良い思い出です。
大変だったこと
統合コースはこんな人におすすめ

ここまで読んで、「自分に向いているのかな?」と気になっている方もいると思います。
私の主観にはなりますが、
実際に通ってみて感じた「おすすめな人・そうでない人」をまとめてみました。
おすすめな人
おすすめしない人
おわりに

統合コースは、人によって向き・不向きが分かれるコースではありますが、
迷っている方は一度チャレンジしてみるのもひとつの選択肢だと思います。
最初は不安でも、意外となんとかなるものです。
この記事が、これからドイツ語学習を始める方や、
統合コースを検討している方の参考になれば嬉しいです。


私の場合は、夫がドイツで働いており駐在帯同としてドイツに来ました。
在留許可証の発行時に、外国人局から統合コースの受講義務があると判断され、
そのまま受講手続きについて案内を受けました。
私はドイツに入国し、右も左も分からない中で「統合コースに受講しなければ日本に帰ってもらう、もしくは働いて」と言われ予想外の展開に焦りました。
一方で、同じように駐在帯同で来ている方でも、
というケースもあります。